会社から「電験三種」を受けろと言われたけど、仕事しながら独学でも合格できる?
電験三種は合格率が約10%と低く、何回受けても合格できない人がいるくらい難しい資格です。
筆者も会社に入ってから受験を勧められて受けましたが、最初の2年間は深く考えず勉強して受験し、
結果は「全滅!」
ネット上では、「1発合格しました!」や「今年は簡単だった。」と毎年のように報告が上がっており、これではまずいと思い、3年目から合格するにはどうすれば良いか戦略を考えることにしました。
職場でも合格している人はほとんどいなかったんですけどね。
その結果、この勉強法を始めて1年目で2科目、2年目で1科目、3年目で最後の1科目に合格し、晴れて電験三種合格者となりました。
初心者の方や行き詰っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.結論
結論として、筆者が始めてから3回目で合格できた勉強方法は以下の通り。
以下で解説していきます。
2.筆者の電験三種受験歴
筆者は会社に入ってから電験三種を受け始め、最初の2年間は1科目も合格できませんでした。
3年目にようやく「電力」と「法規」に合格し、翌年に「理論」、翌々年に最後の「機械」に合格し、晴れて電験三種に合格しました。
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
1年目 (平成24年) |
× | × | × | × |
2年目 (平成25年) |
× | × | × | × |
3年目 (平成26年) |
× | 〇 | × | 〇 |
4年目 (平成27年) |
〇 | - | × | - |
5年目 (平成28年) |
- | - | 〇 (合格!) |
- |
筆者の時は年1回の試験で、最後は落ちれば電力と法規が復活するという状況でした。
俗にいう「電験スパイラー」にならずに済んで良かったです。
3.電験三種の概要
電験三種の正式名称は「第三種電気主任技術者試験」といいます。
他にも第二種、第一種があり、電気主任技術者の登竜門的な資格ですが、合格率は約10%とかなり低くなっています。
試験内容
電験三種は、以下の4科目別に1日で試験を行います。
筆記試験は「五肢択一のマークシート方式」。
科目名 | 内容 |
理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 |
電力 | 発電所・蓄電所・変電所の設計及び運転、 送電線路・配電線路の設計及び運用など |
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、 電気化学、自動制御、メカトロニクスなど |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理 |
合格点
各科目100点満点中60点以上で合格。
ただし、難易度が高く平均点が低いと調整が入る場合もあります。
直近3回の合格点は以下のようになっています。
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
令和5年上期 | 60点 | 60点 | 60点 | 60点 |
令和4年下期 | 60点 | 60点 | 60点 | 60点 |
令和4年上期 | 60点 | 60点 | 55点 | 54点 |
試験日程
2022年から試験制度が変更され、上期(8月)と下期(3月)の年2回試験が行われるようになりました。
筆者の時は年1回だったのでチャンスが増えて羨ましいですね。
他にもコンピュータを利用した「CBT方式」の試験も開催されています。
科目別合格制度(科目合格留保制度)
上記の4科目全てに合格すれば電験三種合格となりますが、一発合格するのは難しいため、「科目合格」するとその年も含めて3年間当該科目の試験が免除される制度があります。
試験が年2回に増えたことで、「最大5回まで」合格した科目は受けなくて良くなりました。
受験料
インターネット申し込み:7,700円
郵便による書面申し込み: 8,100円
※2024年1月時点
筆者の時はインターネット申し込みで4,850円だったので結構値上げされましたね。
4.始めてから3回目で合格できた勉強法!
筆者が始めてから3回目の試験で全科目合格できた勉強法を紹介します。
勉強法①:2科目ずつ集中攻略!
せっかく受験料を払っているから全科目勉強して全科目受けたいのはわかりますが、全部中途半端だと筆者のように全滅してしまう可能性があります。
電験三種は試験範囲が広く、4科目全て満遍なく勉強しようと思うとかなりの時間がかかります。
仕事しながらだとなおさら辛いですね。
そもそも1発合格できるのは上位数%の人間だけなので、大抵の人は2回以上受ける計算になります。
だったら初めから2科目ずつ集中的に勉強して、2回目で合格を目指すのもありではないでしょうか?
その方が科目合格できる確率も上がるし、受験までの負担も減りますね。
この2科目の選び方に特に決まりはありません。
自分の得意科目や、当日の試験時間で早めに終わらせておきたい科目(次回朝ゆっくりしたい、早く帰りたい)などで選んでも良いと思います。
筆者は「電力」と「法規」を選びました。
本当は2科目ずつ取って2年で合格したかったのですが、筆者は「機械」が大の苦手で、結局3年かかってしまいました。
勉強法②:参考書の「用語(キーワード)」をピックアップする
参考書をただ読んでいるだけではなかなか身に付かないですよね。
また、参考書は既にまとまっているものなので、それを自分なりに専用のノートに書き写してまとめても時間ばかりが過ぎていきます。
自分でまとめると理解が深まるという側面はありますが。
そんな方におすすめの勉強法は、参考書の用語(キーワード)だけをピックアップすること。
例えば、以下のような感じです。
理論 | |||
章 | ページ | 用語 | 内容 |
(1) | 1 | オームの法則 | 回路 |
公式 | |||
(2) | 9 | キルヒホッフの第1法則 | 定義 |
回路 | |||
方程式 | |||
: | : | : | : |
(30) | 224 | 計器 可動コイル形 計器 可動鉄片形 計器 整流形 計器 誘導形 計器 振動片形 |
記号 使用回路 用途 動作原理 特徴 |
筆者はパソコンを使ってエクセルで作成していました。
追記・修正、印刷も簡単にできるのでおすすめ!
これくらいなら、それほど時間をかけずに作れますね。
そして、この用語(キーワード)を見れば、公式や詳細を書けるように勉強していきます。
具体的には以下のような感じです。
用語を見て公式や内容を参考書を見ずに書き出す
⇩
一通り書き出したら参考書を見て間違いや抜けがあれば覚え直す
そうすると、自然と用語を見ただけで公式や内容が浮かんでくるようになります。
筆者は参考書として「これだけシリーズ」を使っていました。
勉強法③:公式をひたすら覚える
電験三種には、公式を知っていれば一瞬で解ける問題もたまにですが出題されます。
ラッキー問題を落としていては合格するのは難しいですね。
公式は専用のノートにまとめるのが良いと思いますが、面倒な方はポケットサイズの公式集も出ているので購入を検討してみてください。
勉強法②でまとめた用語(キーワード)を見て、公式を自分で書けるまでひたすら繰り返し覚えていきます。
勉強法④:過去問を解いて専用ノートにまとめる
参考書を一通り読んだら、過去問を解いてみましょう。
過去問は10年分あれば十分です。
問題編と解答解説編が分けられるこちらの問題集がおすすめ!
初めはほとんど自力で解けず愕然とするのではないでしょうか?
初めは解けなくて当たり前なので心配無用!
ここで重要なのは、過去問も参考書と同じく一つの事柄についてまとまっているということです。
特に正誤問題や穴埋め問題は、空欄の箇所や言い回しを変えた問題が出題されることもあるので、覚えておいて損はありません。
過去問は電気技術者試験センターのサイトでダウンロードできるので、これをコピーしてノートに貼り付けると手軽に作成できますよ。
5.まとめ
始めて3年目で電験三種に合格できた勉強方法について紹介しました。
初心者の方や合格できず行き詰っている方は、ぜひ参考にしてみてください。