電験三種を一発合格するのは難しいの?
電験三種は合格率が約10%で、その内一発合格者は約1~2%と言われています。
令和5年度上期の受験者数が約28,000人なので、一発合格者は約280~560人くらいしかいないことになりますね。
結論として、一発合格はかなり難しいと考えて間違いありません。
この記事では、5回目の受験で合格できた筆者が、初心者に伝えておきたいこと5選を紹介します。
これから受験しようと考えている方は参考にしてみてください。
1.結論
結論として、独学での一発合格はかなり難しいので、一発合格を目指すのはおすすめしません。
初心者に伝えておきたいことは以下の5点です。
以下で解説していきます。
2.筆者の電験三種受験歴
筆者は会社に入ってから電験三種を受け始め、最初の2年間は1科目も合格できませんでした。
3年目にようやく「電力」と「法規」に合格し、翌年に「理論」、翌々年に最後の「機械」に合格し、晴れて電験三種に合格しました。
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
1年目 (平成24年) |
× | × | × | × |
2年目 (平成25年) |
× | × | × | × |
3年目 (平成26年) |
× | 〇 | × | 〇 |
4年目 (平成27年) |
〇 | - | × | - |
5年目 (平成28年) |
- | - | 〇 (合格!) |
- |
筆者の時は年1回の試験で、最後は落ちれば電力と法規が復活するという状況でした。
俗にいう「電験スパイラー」にならずに済んで良かったです。
3.電験三種の概要
電験三種の正式名称は「第三種電気主任技術者試験」といいます。
他にも第二種、第一種があり、電気主任技術者の登竜門的な資格ですが、合格率は約10%とかなり低くなっています。
電気技術者試験センターのプレスリリースを見ると、受験率は60%前後で、申し込んだけど受けない人も結構いるみたいですね。
試験内容
電験三種は、以下の4科目別に1日で試験を行います。
筆記試験は「五肢択一のマークシート方式」。
科目名 | 内容 |
理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 |
電力 | 発電所・蓄電所・変電所の設計及び運転、 送電線路・配電線路の設計及び運用など |
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、 電気化学、自動制御、メカトロニクスなど |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理 |
合格点
各科目100点満点中60点以上で合格。
ただし、難易度が高く平均点が低いと調整が入る場合もあります。
直近3回の合格点は以下のようになっています。
科目 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
令和5年上期 | 60点 | 60点 | 60点 | 60点 |
令和4年下期 | 60点 | 60点 | 60点 | 60点 |
令和4年上期 | 60点 | 60点 | 55点 | 54点 |
試験日程
2022年から試験制度が変更され、上期(8月)と下期(3月)の年2回試験が行われるようになりました。
筆者の時は年1回だったのでチャンスが増えて羨ましいですね。
他にもコンピュータを利用した「CBT方式」の試験も開催されています。
科目別合格制度(科目合格留保制度)
上記の4科目全てに合格すれば電験三種合格となりますが、一発合格するのは難しいため、「科目合格」するとその年も含めて3年間当該科目の試験が免除される制度があります。
試験が年2回に増えたことで、「最大5回まで」合格した科目は受けなくて良くなりました。
受験料
インターネット申し込み:7,700円
郵便による書面申し込み: 8,100円
※2024年1月時点
筆者の時はインターネット申し込みで4,850円だったので結構値上げされましたね。
4.電験三種はなぜ難しい?
電験三種が難しい理由は以下の4点です。
① 問題数が少なく、一問の配点が大きい
配点は法規以外一問当たり5点で、全部で20問しか出題されません。
B問題は一つの問いに2つの問題があり、1つ目が解けないと2つ目が解けない場合もあるので、これを両方落とすとかなりの痛手になります。
また、選択問題や正誤問題で2択まで絞れたとしても、最後に間違うと0点です。
なぜかこの2択を外すことが多いんですよね。
部分点でもあれば点数を稼げますが、電験には部分点がありません。
② 過去問と同じ問題はほぼ出題されない
過去問と同じ問題はほぼ出題されないので、理解力や応用力が試される試験になっています。
過去問を暗記しても合格することは難しいです。
また、一番理不尽なのは、参考書や過去問に載っていない問題も出ること!
法規は特に「電気設備技術基準」全部が出題範囲なので、参考書に載っていない条文が出題されたりします。
暗記問題なので、知らなければ勘で答えるしかないですね。
③ 出題範囲が広く、勉強に時間がかかる
参考書が科目別に分かれていることからも、それぞれの出題範囲が広いことがわかると思います。
4科目受ける人は、4つの資格試験を同時に受けるのと同じ感覚ですね。
範囲が広いと参考書を読み進めるうちに初めの内容を忘れてしまい、覚えて・忘れてのループを繰り返すことになります。
勉強を始めるのが遅いと、試験までに全範囲終わらず諦めて受けないという人もいるでしょうね。
④ モチベーションが維持できない
2022年度から年2回実施に変更されましたが、それまでは年1回しか受験機会が無く、モチベーションを維持するのが大変でした。
また、「試験範囲が広すぎていくら勉強しても終わりが見えない!」、「あれだけ勉強したのに落ちた!」などもモチベーションが低下する原因になります。
5.初心者に伝えておきたいこと5選!
① 一発合格を目指すのは危険
せっかく受験料を払ったので、一発合格を目指したいと考えるのは当然だと思います。
ただ、電験三種は出題範囲が広く、4科目満遍なく勉強しようと思うとかなり時間がかかります。
一発合格を目指して全科目中途半端になると、筆者のように「全滅」することにもなりかねません。
1日で4科目受験するのは結構しんどいですしね。
② 科目合格制度を上手く利用しよう
そもそも一発合格できるのは上位数%の人間だけなので、大抵の人は2回以上受ける計算になります。
だったら初めから2科目ずつ集中的に勉強して、2回目で合格を目指すのもありではないでしょうか?
また、筆者の時は出来ませんでしたが、試験が年2回に増えたことで1回の試験で1科目ずつ取っていっても合格できるようになりました。
③ 勉強方法を工夫しよう
筆者が始めてから3回目で合格できた勉強方法はこちらの記事で紹介していますので、勉強方法をどうしようか悩んでいる方は参考にしてみてください。
漠然と参考書を読んで過去問を解いても、合格できない可能性が高いです。
④ モチベーションを維持する工夫をしよう
筆者の時は年1回だったので、次までのモチベーションを維持するのが大変でした。
何かやる気が出ないなと思ったら、環境や勉強方法を変えてみてください。
カフェや図書館、漫画喫茶などに行くと、思いのほか集中できることがあります。
また、辛くなったらアニメや映画を見たり、ゲームなど好きなことをしてリフレッシュすることも大切!
ただ、1日10分でも良いので電験三種関連の勉強をするようにしましょう。
⑤ 一発合格を目指すなら「通信講座」を受講しよう
それでも一発合格を目指したいなら、「通信講座」を受講することをおすすめします。
独学でも時間をかければ合格できますが、やはりプロに教えてもらう方が早く合格できるのは間違いありません。
JTEX(日本技能教育開発センター)
技術系の通信講座を専門としており、累計52,000人の受講実績を誇ります。
電験三種の講座は以下の4コース。
- 徹底マスターコース
受講期間: 11ヶ月(在籍期間:22ヶ月)
受講料: 46,200円(個人)、44,000円(法人) - 総合(模擬テスト付き)コース
受講期間: 6ヶ月(在籍期間:12ヶ月)
受講料: 39,600円(個人)、37,400円(法人) - 総合(模擬テスト・4科目Web講義付き)コース
受講期間: 6ヶ月(在籍期間:12ヶ月)
受講料: 70,400円(個人)、68,200円(法人) - 科目別(Web講座付き)コース
理論・電力・機械
受講期間: 3ヶ月(在籍期間:6ヶ月)
受講料: 27,500円(個人)、25,300円(法人)
法規
受講期間: 2ヶ月(在籍期間:4ヶ月)
受講料: 26,400円(個人)、24,200円(法人)
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6.まとめ
電験三種はなぜ難しいか?、初心者に伝えておきたいことを解説しました。
諦めなければチャンスはありますので、合格目指して頑張ってください。